がんばって!
震災で苦労している人、絶望している人に向かって「がんばって!」と言うのは、もう十分すぎるほど頑張っている彼らに失礼だと言う論調がある。
確かに、“がんばれ”を「努力しなさい」と捉えれば、その論調は正しいと思う。
でも、日本語の“がんばれ”には、「もうしばらく辛抱してください」という意味も含んでいるんじゃないだろうか?
と言うのも、日本語の“頑張る”をタイ語の辞書で調べると、พยายาม (パヤヤーム)とอดทน (オットン)の2つがヒットする。
で、今度はそれを逆引きで調べると、パヤヤームは“努力する”一方のオットンは“我慢する・辛抱する”となるのだ。
確かにボクも、タイ語での日常会話ではこのふたつを使い分けている。
もう5年近くも日本に住んでいるのに、一向に日本語が上手くならないウチの奥さんに対して、「もっと日本語の勉強をがんばりなさい」と言う場合は、パヤヤーム。
先日の地震で停電が続いている間、怖がっている奥さんに対して、「もう少しの辛抱だからがんばってね」と言う場合は、オットンを使ってた。
オットンとは、思い通りにならない時には、それが思い通りになるように願って待ちましょうというニュアンスがあるのだ。
だから、被災者に向けて「がんばって!」と言う場合、一般的にはオットンの意味で言ってるので、失礼ではないとボクは思う。
まあ、言葉は受け手側がどう捉えるかで決まってしまうので、受け手が「失礼だ!」と捉えてしまえばそれは失礼なことになってしまうのが言葉の難しいところなのだが…。
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